高齢者レクリエーションを考えるとき、
「みんなが楽しめるものって、意外とむずかしい」と感じることはありませんか。
体調や気分、その日の調子は人それぞれ。
とくに、認知症のある方がいらっしゃる場では、
無理をさせないことや、安心できる雰囲気づくりが何より大切になります。
そんな中で、静かに、やさしく取り入れやすいのが「おみくじ」です。
特別な道具や準備がなくても、
短い言葉を共有するだけで、その場の空気がふっと和らぎます。
引いてもいい。
聞いているだけでもいい。
参加しなくても、その場にいるだけでいい。
この記事では、
高齢者レクリエーションとしてのおみくじの取り入れ方や、
認知症のある方にも配慮した進め方、
そのまま使える文例や声かけの工夫を紹介します。
「うまくやる」ことよりも、
安心して同じ時間を過ごすことを大切にしたい方のヒントになれば幸いです。
高齢者レクリエーションに「おみくじ」が向いている理由
1) ルール説明がほぼいらない
おみくじって、基本は 「引く→開く→読む」 だけ。
ゲームみたいに複雑な手順がないから、初めてでも入りやすいし、途中参加でも置いていかれにくいんだよね。
2) “当てる”より“楽しむ”が主役
クイズや勝負系だと、「正解できない」「遅い」みたいに気にしてしまう人もいるけど、
おみくじは 正解も不正解もない から、気楽。
「結果がどうでも、笑って終われる」空気が作りやすいよ。
3) 会話のきっかけが自然に生まれる
「大吉やった〜」「それ、当たってるかも」って、ひと言が出やすい。
さらに、そこから
-
昔のお正月の話
-
運が良かった思い出
-
最近うれしかったこと
みたいに、思い出話に繋がりやすい のが強いポイント。
4) “参加の仕方”に自由がある
おみくじは、
引かなくてもOK/読むだけでもOK/聞くだけでもOK。
この「ゆるい参加」が許されるのって、高齢者レクだとかなり大事。
体調や気分に波があっても、場にいられるからね。
5) 手先の動きも、さりげなく入る
紙をつまむ、開く、読む(見る)。
この一連が、軽い手指の動き になる。
“運動レク”ほど頑張らせずに、自然に動きが入るのがちょうどいい感じ。
おみくじは「当たる・当たらない」よりも、そこから生まれる会話や笑いを楽しむもの。だからこそ、高齢者レクリエーションにちょうどいいんです。
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高齢者向け|おみくじレクリエーションの基本アイデア
① みんなで引く「今日のおみくじ」
一人ずつ順番におみくじを引いてもらう、いちばんシンプルな形です。
引いたあとは、
・本人が読む
・職員や進行役が代わりに読む
どちらでもOK。
声を出さなくても参加できるので、
「聞くだけ」「見るだけ」でも自然に輪に入れます。
② 代表者が引く「みんなのおみくじ」
全員が引かなくても、代表の方が1枚引くスタイル。
-
今日はどんな一日かな
-
みんなで同じ結果を共有
という感覚になるので、
体力や集中力に差がある場面でも使いやすいです。
「今日は大吉ですね〜」と、
場の空気を和ませるきっかけにもなります。
③ 読み上げるだけの「聞くだけおみくじ」
参加者は引かずに、進行役が読み上げます。
-
耳で聞く
-
うなずくだけ
-
笑うだけ
それでも立派な参加。
無理に動かさなくていいので、体調に波がある方にも向いています。
④ ひと言プラスで会話につなげる
おみくじの内容に、
軽い問いかけを添えるだけで会話が広がります。
例
・「これ、当たってると思います?」
・「こんな日、ありましたか?」
答えなくてもOK。
誰かが話し始めたら、それをみんなで聞くだけでも十分です。
⑤ 時間が短くても成立する
おみくじレクは、
5分〜10分でも成立するのが強み。
・空き時間
・食事前後
・本格レクの前のウォーミングアップ
「今日は何しよう…」という時の、
気負わない選択肢として使えます。
おみくじレクリエーションは、たくさん盛り上げなくても大丈夫。
その場にいるだけで楽しめる“やさしいレク”です。
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おみくじ内容を“高齢者向け”にする工夫
① 吉凶より「安心できる言葉」を大切に
高齢者向けのおみくじでは、
大吉・中吉・小吉だけでも十分です。
凶や不安をあおる表現より、
「穏やか」「無理しない」「大丈夫」など、
安心感のある言葉を中心にすると、場の空気がやさしくなります。
② 文字は大きく、内容は短く
長い文章は読みにくく、疲れやすくなります。
・1~2行
・ひらがな多め
・漢字は少なめ
「読めた」「わかった」という感覚が、
自然な満足感につながります。
③ 今の生活に寄り添った内容にする
先の運勢や将来の話より、
「今日」「いま」につながる言葉がおすすめです。
例
・「今日はゆっくりすごしましょう」
・「まわりの人と笑顔で話せそうです」
身近な内容ほど、共感しやすくなります。
④ 行動をそっと後押しする一言を入れる
「こうしなさい」ではなく、
「〜してみましょう」くらいのやさしさがちょうどいい。
・深呼吸
・水分をとる
・誰かに声をかける
小さな行動が、レクリエーション後の余韻になります。
⑤ 笑顔になれる言葉を一つ入れる
少しだけ、くすっと笑える要素があると印象に残ります。
・「今日はおしゃべり運あり」
・「お茶がおいしく感じる日」
無理に盛り上げなくても、
気持ちがふっと緩む内容がベストです。
高齢者向けのおみくじは、未来を占うものというより、
「今日を気持ちよく過ごすための言葉」くらいがちょうどいいのかもしれません。
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高齢者向け|やさしいおみくじ文例集(30個)
高齢者向けのおみくじでは、
先の運勢を占うことよりも、
「今の気持ちが少し楽になる言葉」を大切にしたいところです。
とくに、認知症のある方や、
言葉を受け取るのに時間がかかる方がいらっしゃる場では、
短く・やさしく・安心できる表現が向いています。
ここでは、
そのまま読んでも、アレンジして使っても大丈夫な
やさしいおみくじの文例を紹介します。
無理に反応を引き出す必要はありません。
聞くだけ、見ているだけでも、
その時間を共有できれば十分です。
【気持ちが落ち着く系】
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今日は ゆっくり すごせる日です
-
あせらなくて だいじょうぶ
-
こころが ほっと する時間が あります
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今日は 無理を しないのが いちばん
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まわりの 人に ささえられる日です
【健康・生活よりそい系】
-
からだを いたわると いい一日
-
おちゃが おいしく かんじられそう
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すこし 休むと 元気が でます
-
今日は 深呼吸が ラッキー
-
水分を とると すっきり します
【会話・人とのつながり系】
-
だれかと おはなし できそうな日
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えがおが えがおを よびます
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ありがとうが うれしい日
-
まわりに やさしく してもらえそう
-
なつかしい 話が でてきそう
【前向き・安心系】
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きょうも じゅうぶん がんばっています
-
あなたの ペースで だいじょうぶ
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いい流れに のっています
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ちいさな うれしいことが あります
-
今日は こころが あたたまる日
【くすっと笑える・やわらか系】
-
おしゃべり運 あり
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今日は いい音が きこえそう
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なんだか いい気分に なれそう
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まったり が いちばん
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おだやかに すごせば 花まる
【しめ・万能タイプ】
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今日も いい一日
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きっと だいじょうぶ
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いまの ままで OK
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笑って すごせそう
-
今日も ありがとう
使い方ワンポイント(記事に入れるなら)
-
大吉・中吉などはつけなくてもOK
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文字は大きめ・1枚1文
-
読み上げるだけでも成立
※内容は施設や利用者さんに合わせて調整してくださいね。
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お正月以外でも使える!季節アレンジ例
おみくじは、お正月だけのものと思われがちですが、
実は季節を取り入れることで、1年中楽しめるレクリエーションになります。
その時期ならではの言葉や雰囲気をおみくじに入れると、
「最近はこんな季節だね」「昔はこうだったね」と、
自然に会話や思い出話が広がります。
特別な行事がなくても、
季節を感じる一言があるだけで、場の空気はやさしく変わるもの。
ここでは、春・夏・秋・冬それぞれに使えるおみくじの例文を紹介します。
🌸 春のおみくじ(20個)
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あたらしい 風を かんじる日
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こころが ふわっと かるく なりそう
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今日は 外の空気が きもちいい
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花を 見ると うれしく なります
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ゆっくりでも 前に すすんでいます
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だれかと 春の話が できそう
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あたたかさが 味方の日
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きょうは 笑顔が さきます
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いい出会いが ありそう
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すこし 体を のばすと すっきり
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明るい色が 目に 入りそう
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気分が かるく なる一日
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春の においを かんじられそう
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新しい 気づきが あります
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ゆっくり 目覚める 春の日
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きょうは やさしい 気持ち
-
花の話で 盛りあがりそう
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心配ごとは いったん 休み
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春らしい いい一日
-
ぽかぽか 気分で OK
☀ 夏のおみくじ
-
今日は 無理を しない日
-
水分を とると 元気
-
すずしい ところで ほっと できます
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ゆっくり 過ごすのが 正解
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からだを 大事に できる日
-
涼しい 話で 笑えそう
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今日は 休憩 上手
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ひと息 つくと いい流れ
-
夏でも 心は さわやか
-
まわりの 気づかいが ありがたい
-
今日は がんばりすぎない
-
冷たい お茶が ラッキー
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静かな 時間が あります
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体を いたわると 花まる
-
今日は マイペースで OK
-
ちょっと 涼を 感じられそう
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休むことも 大切な一日
-
さっぱり 気分に なれます
-
夏の 思い出話が 出そう
-
無事に 過ごせば 大吉
🍁 秋のおみくじ
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心が 落ちつく 一日
-
今日は 話を 聞くのが 楽しい
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なつかしい 思い出が よみがえる
-
ゆっくり 味わうと しあわせ
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ほっと ひと息 つけます
-
秋の 空を 思い出しそう
-
こころが しっとり します
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感謝の 気持ちが ふえる日
-
今日は ゆったり 時間
-
だれかの 話が 心に ひびく
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落ちついた 空気が 心地いい
-
秋の 楽しみを 話せそう
-
静かな 喜びが あります
-
今日は 深く 呼吸
-
こころの 整う日
-
昔の 話で 笑えます
-
ちいさな しあわせ みつかる
-
今日は 無理なく OK
-
秋らしい 穏やかさ
-
じんわり いい一日
❄ 冬のおみくじ
-
あたたかさに つつまれる日
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今日は ぬくぬく が 正解
-
からだを 冷やさないで
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あたたかい 言葉が うれしい
-
ゆっくり 過ごすと 安心
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人の やさしさを かんじます
-
あたたかい 飲み物が ラッキー
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今日は 室内が いちばん
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無理せず 休む日
-
心が じんわり します
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今日は 静かで いい一日
-
だれかの 声が あたたかい
-
体を 大事に すると 吉
-
冬の 思い出が 出てきそう
-
今日は のんびり OK
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あたたかい 気持ちに なれます
-
やさしい 時間が 流れます
-
ほっと できる 場所が あります
-
今日も 無事で 花まる
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あたたかく すごせば 大吉
※季節のおみくじは、行事に合わせなくても使えます。
「今の季節を感じる言葉」を添えるだけで、会話や安心感が自然に生まれます。
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季節 × 認知症のある方|超短文おみくじ例
認知症のある方は、長い文章や抽象的な表現が負担になることがあります。
そのため、このおみくじでは 短く・わかりやすく・今の安心につながる言葉 を大切にしています。
また、季節を感じるひと言を添えることで、
理解しやすさだけでなく、気持ちが落ち着いたり、
会話や共感のきっかけになることもあります。
読み上げる際は、反応を求めすぎず、
その場にいる時間そのものを大切にして進めてみてください。
🌸 春|超短文おみくじ例
-
きょうは あたたかい
-
はるの きもち
-
えがおで OK
-
ゆっくり いこう
-
だいじょうぶ
-
ここちいいね
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いい天気
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きもち らく
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のんびり で OK
-
やさしい 時間
☀ 夏|超短文おみくじ例
-
みずを のもう
-
むり しない
-
すずしく しよう
-
ひとやすみ
-
きょうも OK
-
からだ だいじ
-
ひと息 つこう
-
さっぱり
-
ここで 休もう
-
だいじょうぶだよ
🍁 秋|超短文おみくじ例
-
ほっと する
-
ゆったり
-
いい じかん
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あんしん
-
おちつくね
-
しずかな 時間
-
こころ らく
-
ちょうど いい
-
ひと息
-
だいじょうぶだよ
❄ 冬|超短文おみくじ例
-
あたたかく
-
ぬくぬく
-
ゆっくり
-
そのままで
-
OK
-
あったかいね
-
ここで 安心
-
ぬくもり
-
ほっと するね
-
やすらぎ
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職員さん向け|そのまま使える読み上げ・声かけ例
※言葉に迷ったときに、そのまま読める例文です。
無理に反応を引き出す必要はありません。
はじめのひと言
-
「今日は、みなさんでおみくじを楽しみますね」
-
「聞いているだけでも大丈夫ですよ」
引く前・読む前
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「ゆっくりでいいですよ」
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「無理しなくて大丈夫です」
-
「見ているだけでもいいですよ」
読み上げるとき
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「〇〇さんのおみくじです」
-
「今日は『ゆっくり』と書いてありますね」
-
「やさしい言葉ですね」
反応が少ないとき
-
「聞いてくださってありがとうございます」
-
「ここにいてくださるだけで大丈夫ですよ」
-
「安心してくださいね」
終わりのひと言
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「今日はここまでです」
-
「ありがとうございました」
-
「また一緒にやりましょうね」
迷ったときの万能フレーズ
-
「ゆっくりで大丈夫です」
-
「無理しなくていいですよ」
-
「今日はこの言葉でいきましょう」
-
「いい時間ですね」
.
無理に参加させないことがいちばん大切
高齢者レクリエーションでは、
「全員が同じように参加すること」よりも、
その人が安心してその場にいられることが何より大切です。
おみくじレクリエーションも、
引いてもいい、引かなくてもいい。
声を出してもいいし、聞いているだけでも大丈夫。
参加の形は、人それぞれで問題ありません。
とくに、認知症のある方や、
その日の体調や気分に波がある方にとって、
「やらなきゃいけない雰囲気」は負担になりがちです。
無理に声をかけたり、反応を求めすぎると、
楽しむはずの時間が、緊張や不安につながってしまうこともあります。
おみくじは、
結果を当てるためのものでも、
盛り上げるためだけのものでもありません。
ただ、そこにいて、
やさしい言葉を聞いて、
その空気を共有するだけでも、十分なレクリエーションです。
「今日は見ているだけでいいですよ」
「聞いているだけでも大丈夫ですよ」
そんな一言があるだけで、
その場はぐっと安心できる空間になります。
無理に参加させないこと。
それは、何もしないことではなく、
その人を尊重する、いちばん大切な関わり方です。
.
よくある質問
Q1. 参加したがらない方がいても大丈夫?
A. まったく問題ありません。
見るだけ・聞くだけでも立派な参加です。
無理に誘わず、その方のペースを大切にしてください。
Q2. 認知症のある方にも使えますか?
A. はい、使えます。
短く、やさしい言葉を選び、
反応を求めすぎない進め方がおすすめです。
Q3. お正月以外でもやっていい?
A. もちろん大丈夫です。
季節の言葉を取り入れることで、
1年を通して使えるレクリエーションになります。
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まとめ
おみくじは、特別な準備がなくても取り入れやすく、
高齢者レクリエーションとしてとても使いやすい方法のひとつです。
引いてもいい。
聞いているだけでもいい。
参加しなくても、その場にいるだけでいい。
とくに、認知症のある方にとっては、
短く、やさしい言葉と
無理をしなくていい空気が何より大切です。
おみくじは、
盛り上げるための道具ではなく、
安心して同じ時間を過ごすための「きっかけ」。
今日の気分や体調に合わせて、
そのまま使っても、少しアレンジしても大丈夫です。
「うまくやろう」と思わなくていい。
その場にいる人を大切にすることが、
いちばんのレクリエーションになります。
この記事について
本記事で紹介している内容は、
高齢者レクリエーションの一例としての情報提供を目的としたものです。
実際の実施にあたっては、
ご本人の体調・気分・理解の状態や、
施設やご家庭の方針に合わせて、無理のない形で取り入れてください。
また、本記事の内容は
医療行為や治療、症状の改善を目的としたものではありません。
ご不安な点がある場合は、
医師や専門職の判断を優先してください。
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