「思っていた髪型と違う…」「もっと短くしないでほしかったのに」──
美容室で仕上がりにガッカリした経験、ありませんか?
実は、失敗の多くは技術よりも“伝え方のすれ違い”から生まれます。
この記事では、美容師さんに希望をうまく伝えるためのコツを具体的に紹介。
今日から実践できる「オーダーの言い方」「写真の見せ方」「NGラインの伝え方」まで、わかりやすく解説します。
なぜ美容室で“イメージ違い”が起こるのか
1) 言葉の解釈がズレるから
同じ言葉でも、人によって意味が違います。
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「軽くして」
=量を減らす?長さを短く?表面にレイヤー? -
「重めで」
=厚みを残す?前髪を重く?ボブラインを水平に? -
「動きがほしい」
=巻いた時?地毛で?段(レイヤー)を入れる?
回避フレーズ
-
「長さは鎖骨に当たるくらいキープ/量は耳後ろ中心に少しだけ減らしたい」
-
「表面のレイヤーは控えめ、前髪は重さを残す」
-
「コテ32mmで1回巻いた時に動きが出る程度」
2) 髪質・骨格・履歴の“物理ルール”
写真どおりに切っても、素材が違えば見え方が変わります。
-
髪質
:細毛はボリュームが出にくい/太く硬いと丸みが出づらい -
骨格
:ハチ張り/絶壁だとシルエットが変化 -
生えグセ
:前髪が割れる/つむじが強い -
履歴
:黒染め・ブリーチ歴は色の入り方・抜け方に影響大
回避フレーズ
-
「私は広がりやすい(細い・硬い・うねりあり等)ので、写真より量を残したい(または軽くしたい)」
-
「黒染め履歴あり/ブリーチあり。希望は“今より1〜2トーン明るく”の範囲で」
3) 照明・色の見え方の違い
写真はスタジオ光・編集で色が変わって見えます。店内の照明と屋外の陽光でも見え方は別物。
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室内
:暖色光で黄み寄りに見える -
屋外
:自然光で赤み/オレンジが際立つ -
退色
:アッシュやベージュは数週間で明るく見える
回避フレーズ
-
「自然光でベージュに見える程度/室内では暗めに見えてOK」
-
「染めた直後は少し暗めスタート→2週間後に理想トーンが良い」
4) スタイリング前提か、素髪前提か
写真の“ふんわり”はブロー・アイロン・オイルの力が大きいです。
-
巻かないと動かないカット=再現に手間
-
乾かし方次第でシルエットは真逆になることも
回避フレーズ
-
「朝は3分以内。ドライのみ/ワンカールだけで再現できる範囲で」
-
「仕上げの手順を教えて(ブラシ?手ぐし?オイル何滴?)」
5) “長さ”と“量”と“形”の優先順位が曖昧
ゴールを一度に求めると矛盾が起きがち。
-
例:長さキープ×重さキープ×動き欲しい→相反しやすい
回避フレーズ(優先順位を宣言)
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「最優先=長さキープ(鎖骨下)。次=量は軽く。動きはコテ前提ならOK」
6) 乾くと“上がる/はねる”の見落とし
濡れていると長く見える、乾くと1〜2cm上がる。くせ毛は乾くと縮む。
-
ボブやミディアムは肩ではねやすい
-
前髪は乾くと短く見える
回避フレーズ
-
「乾いて肩に当たる長さで/前髪は目にかかる“やや長め”仕上げ」
7) カラーの専門語・レベル差
-
同じ「暗め」でもレベル(明るさ)の解釈が違う
-
アッシュ=くすみ?グレー=無彩色寄り?人によって違う
回避フレーズ
-
「今が6レベルくらい。理想は5〜6の間で赤み少なめベージュ」
-
「この写真の“彩度”に近づけたい(色みの強さ)」
8) 使う写真の“どこが好きか”が伝わっていない
1枚で全部を再現しようとするとズレます。部分指定が有効。
-
前髪はAの写真、長さはB、色はC…のように分解して共有
回避フレーズ
-
「前髪=この写真の厚み/長さ=この写真/色=この写真の薄い版」
9) 退色・維持コストの想定外
理想色を保つには頻度・ホームケアが必要。
-
色持ち重視なら少し暗め出発が現実的
-
ハイトーンはメンテ頻度が増える
回避フレーズ
-
「2ヶ月は美容室に行けない想定。色落ち後にちょうど良くなる設計で」
-
「紫シャンプーを使う前提/使わない前提での提案を」
ミニ辞書|よくある曖昧ワードの言い換え
-
軽くして
→ 「量を○%減らす/耳後ろ中心/表面は残す」 -
重めで
→ 「ベース厚め/前髪は厚く/表面の段は最小」 -
動きがほしい
→ 「巻いた時に毛先がハネる程度のレイヤー」 -
暗めで
→ 「現状レベル6→5に/自然光で落ち着いて見える範囲」 -
似合わせで
→ 「ハチ・顔型をカバーしたい/丸みは後頭部中心」
仕上がりズレ防止の“3点セット”
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写真を2〜3枚
(前髪/長さ/色を分けて見せる) -
NG先出し
(切らない長さ・避けたい色・ブリーチ不可など) -
数値化&場面指定
(鎖骨・口角ライン/自然光での見え方/朝3分で再現)
例)「長さ=鎖骨下1cmキープ、量=耳後ろを中心に少し軽く。前髪は目に少しかかる厚め。色は自然光で落ち着いて見える5〜6レベルのベージュ。朝はコテ1回で再現できる範囲で」
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失敗を防ぐ伝え方の基本ルール
1) 写真は“部分指定”で2〜3枚見せる
-
1枚の写真にすべてを求めるとズレやすい
-
「前髪はこの写真」「長さはこの写真」「色はこの写真」と分解するのがコツ
👉 写真を「総合的に同じにしてください」ではなく、パーツごとに伝えると共有が正確になります。
2) NGラインを最初に伝える
-
「ここまで以上は切らない」「この色味は避けたい」など
-
特に長さ・色・前髪は後戻りできないので必須
👉 「〜にしてほしい」より「〜にはしないで」が伝わると、仕上がりの安全度が格段に上がります。
3) 数字や体の部位で指定する
-
「肩に当たるくらい」「鎖骨下2cm」「口角の高さで前髪」など
-
長さ・位置を数値化すると解釈の違いを防げます
👉 「少し短く」や「重めに」など抽象表現はNG。誰が聞いても同じ解釈になる言い方を意識しましょう。
4) ライフスタイルを必ず共有する
-
「朝はスタイリングに3分しか使えない」
-
「仕事で明るすぎるカラーはNG」
-
「ジムでよく髪を結ぶので結べる長さを残したい」
👉 美容師さんは日常の制約を聞くことで、現実的に続けやすい提案ができます。
5) 途中経過で確認する
-
カット中に「このくらいの長さで大丈夫ですか?」と聞かれることがあります
-
鏡を見ながらその都度リアクションを返すと安心
👉 気になった時は遠慮せず「あと1cm長く残してほしい」と伝えることで、仕上がりの後悔を減らせます。
6) 最後の微調整は勇気を出してお願いする
-
「ここをあと少し軽くしてもらえますか?」
-
「もう少し量を残してほしい」
👉 美容師さんにとっても、最後に修正の希望を伝えてくれるお客さんの方がありがたいのです。遠慮せずに伝えることが、満足度アップにつながります。
まとめると
伝え方のコツは、「曖昧な言葉を避けて、写真+数字+NGライン+ライフスタイル」で共有すること。
これだけで「思っていたのと違う…」という後悔を大きく減らせます。
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よくある失敗と回避フレーズ
1) 思ったより短くなった
体験談
「肩につくくらいでとお願いしたのに、乾かしたら肩より上に。思っていたよりも短くてショックでした。」
なぜ起きる?
-
髪は濡れていると長く見え、乾くと1〜2cm上がる
-
「肩くらい」という表現は曖昧
回避フレーズ
-
「乾いたときに肩に当たる長さで」
-
「鎖骨下2cmは残してください」
2) カラーが明るすぎた/暗すぎた
体験談
「“暗めに”とお願いしたら黒に近い仕上がりに。仕事ではOKだけど、自分的には重い印象になってしまいました。」
なぜ起きる?
-
「暗め」「明るめ」は人によって解釈が違う
-
サロン照明と自然光では見え方が変わる
回避フレーズ
-
「今の色より1〜2トーン明るくしてください」
-
「自然光で落ち着いて見えるけど、室内では暗すぎない程度」
3) 前髪の仕上がりが違った
体験談
「“軽めで”と伝えたら、スカスカになってしまって幼い印象に。重めに残したかったのに…。」
なぜ起きる?
-
「軽め/重め」の解釈が幅広い
-
前髪は1cmで印象が大きく変わる
回避フレーズ
-
「目に少しかかる厚みを残したいです」
-
「軽めだけど眉が少し隠れるくらいで」
4) レイヤー(段)が思ったより入りすぎた
体験談
「“動きがほしい”と言ったら、段がたくさん入ってしまい、広がりやすくなった。」
なぜ起きる?
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「動き」は巻いた時のイメージか、地毛での動きかで解釈が分かれる
回避フレーズ
-
「コテで巻いた時に毛先が動く程度で」
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「段は最小限で、広がらないように」
5) スタイリングしないと再現できない髪型になった
体験談
「雑誌の写真を見せてお願いしたら、家では全然同じにならない。朝の時間にはとても無理でした。」
なぜ起きる?
-
写真の仕上がりはブロー・アイロン・オイルありき
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素髪だと再現度が落ちる
回避フレーズ
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「朝は3分以内で済ませたいので、乾かすだけで形になる範囲で」
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「コテ1回巻くだけで写真に近くなる仕上がりでお願いします」
6) イメージ写真と全然違った
体験談
「写真を1枚だけ見せて“こんな感じで”とお願いしたけど、仕上がりは別物…。よく考えたら好きだったのは“前髪”だけだった。」
なぜ起きる?
-
写真を丸ごと渡しても、美容師さんが“どこを重視すべきか”分からない
回避フレーズ
-
「この写真の前髪が好き/この写真の長さが理想」
-
「この色をもう少し暗めに」
まとめ
よくある失敗は、曖昧な言葉や写真の一枚頼みが原因になりやすいです。
「数字や部位で指定」「部分ごとに伝える」「スタイリング前提か素髪前提かをはっきりさせる」──この3つを意識するだけで、イメージ違いは大幅に減らせます。
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美容師さんが実際に喜ぶフレーズ集
1) 写真を見せるときに
-
「この写真の前髪が好きで、長さは別の写真のイメージです」
→ 部分ごとに分けて説明してもらえると、完成像を一緒にイメージしやすい。
2) 長さを伝えるときに
-
「乾いたときに鎖骨に当たるくらいで」
→ 仕上がりを“乾いた状態”で指定してもらえると、長さのズレが少なくなる。
3) カラーをオーダーするときに
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「自然光で落ち着いて見えるけど、室内では暗すぎない色がいいです」
→ 具体的なシーンを伝えてもらえると、色味の調整がしやすい。
4) NGラインを伝えるときに
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「この長さより短くならなければ大丈夫です」
→ 仕上がりの“絶対NG”を先に伝えてもらえると、美容師さんも安心して施術できる。
5) スタイリングについて
-
「朝は3分以内で済ませたいので、乾かすだけでまとまる範囲でお願いします」
→ 日常生活に合った提案ができるので、お互いの認識違いが減る。
6) 仕上がりを見たときに
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「すごくいい感じです!でも、もし可能ならもう少しだけ軽くできますか?」
→ まずポジティブに伝え、その後に希望を言ってくれると、美容師さんも気持ちよく対応できる。
まとめると
美容師さんは「細かく言われすぎると嫌がるのでは?」と思われがちですが、実際は具体的に伝えてくれるお客さんの方が施術しやすいのです。
「ポジティブ+具体的」に伝えるフレーズを心がければ、満足度も美容師さんの信頼度もグッと高まります。
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体験談から学ぶ伝え方の工夫
1) 写真を見せなかったら失敗した
「軽くして」とだけ伝えたら、想像以上に短くなってしまい後悔。
次回は雑誌とSNSから写真を2枚持参し、「前髪はこの感じ、長さはこの写真で」と分けて伝えたら、イメージ通りに仕上がった。
👉 学び
:写真は1枚ではなく、部分ごとに複数見せるのが安心。
2) NGを言わずに“おまかせ”にしたら後悔
「似合うようにお願いします」と任せた結果、明るすぎるカラーに。仕事で浮いてしまい困った。
次回は「暗めでも自然光で茶色に見えるくらいで」「黒にはしないで」と伝えたら、仕上がりに満足。
👉 学び
:おまかせでも最低限のNGラインは必ず伝える。
3) スタイリング条件を伝え忘れた
雑誌のモデル写真を見せてお願いしたけれど、毎朝コテで巻かないと再現できないスタイルに。
次回は「朝は3分以内で済ませたい」「乾かすだけでまとまる範囲で」と共有したら、日常に合う髪型に。
👉 学び:ライフスタイルを具体的に伝えると、持続可能な仕上がりになる。
まとめると
体験談からわかるのは、「具体的に伝えなかった部分が失敗につながりやすい」ということ。
次に美容室へ行くときは、写真・NGライン・ライフスタイル、この3点を必ず伝える意識を持ちましょう。
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チェックリスト|オーダー前に確認したい5つのこと
✔ 参考写真を2〜3枚用意した?
→ 部分ごとに「前髪はこの写真、長さはこの写真」と分けて伝えるのが安心。
✔ NGラインを決めてある?
→ 「これ以上短くしない」「この色は避けたい」など絶対に外せない条件を事前に整理。
✔ 長さや色を数字や部位で指定できる?
→ 「鎖骨下2cm」「自然光で6レベル程度」など具体的に言えると伝わりやすい。
✔ ライフスタイルを伝えられる?
→ 「朝は3分以内でスタイリング」「結べる長さが必要」など日常の条件を共有。
✔ 微調整をお願いする勇気を持てる?
→ 仕上がりを見て「あと少し」リクエストできれば満足度がぐんと上がる。
この5つを意識すれば、美容室での「イメージ違い」を大きく減らすことができます。
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まとめ
美容室での“イメージ違い”は、実は技術よりも伝え方のすれ違いから起こることがほとんど。
でも安心してください。
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写真を部分ごとに見せる
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NGラインを最初に伝える
-
数字や部位で指定する
-
ライフスタイルを共有する
-
最後に微調整をお願いする勇気を持つ
このちょっとした工夫で、仕上がりの満足度はグッと上がります。
「思っていたのと違った…」を卒業して、毎日鏡を見るのが楽しみになる髪型を手に入れてくださいね。
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